TOYOTAが展開する高級ブランド「レクサス」
レクサスはメルセデスベンツのようなラグジュアリーブランドに対抗すべく1989年から北米で展開が開始されたトヨタの高級車ブランドです。
すでに製品としての評価を得ていたトヨタ車の使いやすさや耐久性を元に、上質さ、所有する体験までを含めたラグジュアリーさとブランディングを確立し信頼されるブランド力を獲得しました。
長年、J.D. パワーなどをはじめブランド力やカスタマーアワードなどでも高い評価を獲得しており、レクサスブランドは当初のコンセプトを守りながらも大きな存在となり、BMWやメルセデスベンツにも並べる選択肢になっています。
日本にも上陸
元々は北米中心でセダンの展開が多いブランドでしたが、「微笑むプレミアム」を標語に2005年ブランドの逆輸入の形で日本にも展開されるようになりました。
LS
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まず登場したのはLSでブランドを代表するフラッグシップモデルはフルサイズセダンの「LS」になります。
当初は人気車種のセルシオの後継という印象もありましたが、独自の発展を続け、ラグジュアリーな室内、静粛性、決してコピー品ではない乗り味など独自色を出しています。
ドイツメーカーのように、スリーポインテッドスターやキドニーグリルなど一目でわかるブランドのサインとなる物はあまり見られない物の、テクノロジーとデザインの融合から2012年頃から「スピンドルグリル」が採用されています。
また見逃せない機構の一つにトヨタ車をはじめレクサスの特徴にもなる「ハイブリッド技術」が一つの売りになっています。
ハイブリッドというと電池の劣化から中古車市場ではやや安くなる要素ではありますが、レクサスの場合はハイグレードモデルは必ずハイブリッド車になっています。
フルハイブリッドシステムはもちろん燃費向上にも貢献し、静粛性や環境にも配慮した効率的なシステムになっています。
RC,ES,IS,GSそれぞれ概要
当時のアリストをベースとした中型セダンのGS、当時のウィンダムをベースとした普及グレードのES（当初は北米のみ FF車）、アルテッツァをベースとしたIS、スポーツセダンのソアラの後継に当たるSCなどがあり基本的にセダンが主流でしたが、現在はSUVやコンパクトカー、EVまでカバーしそれぞれの車種が展開されています。
2014年にはスポーツクーペの「RC」がラインナップに追加されました。すでにSUVの人気が高まっている時期で多くのセールスとはなりませんでしたが、レクサスのセダンファミリーを代表する車種でもありました。
さらにハイパフォーマンスチューンのIS-FやRC-Fというスペシャルモデルも展開され、量販車とは一線を画したブランド力を意識したニッチな展開もされていました。
2020年にはGSが、2025年にはRCが販売終了となり、時代の変遷はありますが、現在もLSがブランドを代表する車種になっています。
RX,LX,NX,CTそれぞれ概要
セダン人気の低迷により、台頭したのがSUVタイプの車両ですね。これはレクサスやトヨタに限らず、どのメーカーでも同じ傾向で乗り降りしやすく、積載があり、それなりのオフロードも走れるという様々な要素を併せ持っており人気というより主流になっています。
街乗りコンパクトSUVなども多く展開され、またセダンタイプより少し値段も高いためか利益を考えて各メーカーも力を入れているのでしょう。
そんなSUVでもレクサスSUVファミリーを代表する車種が「RX」ですね。
高級車というとメルセデスベンツのセダン、スポーツカーはフェラーリやランボルギーニという印象が強かった当時、セレブのお買い物カーとして選ばれたのはレクサスRXでした。
ポルシェのカイエンなどもありましたが、日常使いしやすく、燃費も良好なため人気を集めました。
ベースとなったハリヤーも日本国内では人気車種で、RXの登場が少し遅れましたが、現在はラインナップに追加されしばらく経ちます。
SUVモデルもRXだけでなく、日本市場向けのユーティリティカーNXやコンパクトSUVのUXなどが追加されました。
ハッチバックのCTもありましたが大は小を兼ねるのか2022年に終了になり、コンパクトサイズなLBXが2023年に登場しました。
ちょうどいいサイズのNXは販売台数もRXよりも多く普及モデルになっています。一方、プレミアムブランドがコンセプトだったレクサスですが少し背を伸ばせば買えるブランドであり、少しプレミアム感が薄れたこともあるとは思います。
LX,GX
SUVよりもさらにオフロード車両もレクサスはカバーしています。
元々北米向けブランドなので、日本車なのにかなりの大きさと排気量を誇るLXはラグジュアリーSUVとしても世界でセレブ人気があります。
ランドクルーザーが世界的に人気でもあり、生産が間に合わず受注から納車まで非常に長い時間がかかったり、盗難されてしまったりと、10年単位で人気が続いている車なのではないでしょうか？
ランクルプラドをベースとしたGXもラインナップに追加され、ボディオンフレーム構造のオフロードカーとなっています。
高級オフロードカーといえばGクラス、ランドローバーがありますが、ラダーフレームやモノコックボディとやや違いもあり、ハイブリッドシステムもあり違った個性を出しています。
北米中心ブランドとは言え、ピックアップトラックがないところはブランドの意地でしょうかね。
LFA,SC,LC
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スポーツモデルも展開されており、V10エンジンを搭載したハイパフォーマンス限定モデルのLFAが2010年に登場しました。
4000万円以上と非常に高額で生産台数も少なくほぼ2年ほどで終了となった車ですが、時が経ち改めて評価されコレクターの間で人気になりました。
価格が高騰し1億を超える価格でオークション落札された物もあるようです。
直接の系統ではありませんが、高級スポーツモデルとして「LC」があります。デザインや内装などLFAに似せた部分があるとは言え、レクサスらしくハイブリッドモデルも存在するスポーツカーです。
国内レースのスーパーGTの車両としても使用され、セールス的には多くない物のその分レアな車として存在しています。
LM
レクサスブランドについに、高級ミニバンの「LM」が2024年日本に上陸しました。
LMは北米ではなく、先に中国や香港で展開され、タウンユースのラグジュアリーなニーズを満たす車種として非常に高額で販売されていました。
6人乗りと4人乗りが展開され、EXECUTIVEグレードでは日本でも2000万円と非常に高額になっています。
日本ではアルファードが非常に人気のある車種ですが、レクサスらしい上質さや安全性能を併せ持った車種でさらに上のラインナップとして存在しているようです。
RZ
最後に、全体的に車の電動化に遅れを取っているトヨタをはじめとする日本車メーカーですが、2023年頃から「RZ」というEV専用モデルがあります。
2025年マイナーチェンジが発表され、少しづつ電気自動車にも推移していく展開が読み取れます。
EVは環境対策というよりもどちらかというと先進性や燃費、イメージで販売されていたところもあり、価格がガソリン車より高いためリセールバリューが「手ごろな価格」まで落ちてしまうという点が今現在は見て取れます。
価格を抑えた中国車が席巻しそうな勢いではありますが、政治的な思惑や、原油価格が下落傾向などもあり、結局は上がり下がりしながら徐々に推移していくところでしょうね。
日本でも長年人気
日本上陸でしばらく経つレクサスブランドですが、日本国内では人気のドイツ車を代表するメルセデスベンツ、BMWにも比肩するラグジュアリーポジションとなっています。上述のNXや最高級のLS、大型SUVのLXまで揃え、年間で約8万5000台以上（2024年）と多くの台数があります。
ユーザー層
レクサスのオーナー層は、かつてのトヨタ車の信頼性を求めつつ、より上質なカーライフを目指す30代後半以降の層が中心となっています。企業経営者や開業医といった安定した収入層はもちろん、ファミリー層の支持も厚く、特にSUVラインであるRXやNXなどは、実用性とラグジュアリー性を両立させたモデルとして人気があります。
また、輸入車からの乗り換え組も多く、メルセデス・ベンツやBMWの維持費や故障率を理由に、より安定したサービス体制やコスト感を求めてレクサスにシフトするケースも見られます。
ディーラーサービスも重要
レクサスブランドが支持される理由の一つとして、ディーラーでの顧客対応のレベルの高さが挙げられます。トヨタが誇る接客マナーに加え、専用ラウンジやドリンクサービス、点検中の代車提供など、「おもてなし」の精神を体現する空間と接遇が、購入後の満足感にもつながっています。
購入体験・プレミアムな空間サービス・長期保証
レクサスでは、購入前から納車後まで一貫した「プレミアム体験」が提供されます。商談ルームや納車ブースは高級ホテルのような設えで、納車時には記念撮影や花束の贈呈なども行われることがあり、「一生に一度のイベント」として演出されるケースも。
さらに、延長メンテナンスLCMP2やメンテナンスプランが充実しており、走行距離に応じた点検、オイル交換、消耗品交換などをパッケージ化してサポートしています。これにより、長期間にわたり安心して乗り続けられる体制が整っています。
以前は無料洗車サービスなどもありましたが、物価高や人件費高騰のあおりなのか「超純水を使用する有料サービス」となっており変更点も見られます。
レクサスCPO（認定中古車）について
新車だけでなく、「レクサスCPO（Certified Pre-Owned）」という認定中古車制度も高く評価されています。これは厳しいチェックをクリアした車両のみが対象となり、2年間の保証と無料点検、車両履歴の透明性などが付与されており、新車に近い安心感を得られます。
レクサスのCPOは中古車市場でも安定した人気があり、「信頼できる中古を買うならCPO」という指名買いも見られます。
デメリット・注意点
とはいえ、レクサスにもいくつかのデメリットは存在します。
・内装カラー
インテリアのカラーでレクサスがメインに添えているカラーは「茶内装」が多めです。
選択により黒内装などもありますが、中古車で探す時黒内装が少ない場合があります。
好みと言ってしまえばそれまでですが、シックな印象が持てる上に汚れが目立ちにくい黒は人気のカラーではあります。
内装の質感やブランドの持つ雰囲気は、メルセデスベンツやBMWのほうが魅力的に映るユーザーも存在し、あくまで好みによるところが大きいですね。
・メンテナンス代金が高い
車検や点検費用は輸入車ほどではないにせよ、国産車としては高めに感じられる場合があります。
車検の時の、G-Link（レクサスのコネクテッドサービス）の契約状況や地図更新のアップデートなどで車検整備以外にも費用がかかります。
最近の車はコネクテッドカーになりつつあり、メンテナンス代がかかったり、気軽に直せなくなったり、またはセンサー不具合などもあったり逆に面倒が増えている場面も多いですね。
・プレミアムブランドなのに車種が増えてきてはいる
ニーズの多様化やTOYOTAのフルラインナップ戦略の影響なのか、小型車から大型車、または電気自動車までラインナップが増えています。
多くのユーザーが手にしやすくなり親しまれるブランドになる一方、高級感は薄れてしまうジレンマはありますね。
維持費・リセールバリュー
維持費に関しては、燃費性能が高く、故障率も低いため総合的にはリーズナブルな部類に入ります。特にハイブリッドモデルはガソリン代を抑えることができ、整備パッケージの加入によって突発的な支出も回避可能です。
そして何より、レクサスはリセールバリューが非常に高いことでも知られています。特にNX、RX、LXなどのSUV系は中古市場でも高値が付きやすく、「乗っても価値が落ちにくい車」として資産性も兼ね備えています。
上述のCPOでセカンドマーケットもメーカーがある程度管理されており、そのことから性能やデザインだけでなくユーザー体験を意識した「プレミアム」を守るブランドと言えます。
レクサスの概要